直ぐに見つけられるよう
小雨の中で僕は待つ
「どうして此処で待ってるの?」
照れくさそうに笑う君
歩幅を合わせる砂浜
君の足元をふいに見た
「そういう所が大好き」
嬉しそうに微笑む君
あの道も、あの場所も
忘れたくはないから
僕は夜に走り出す
焦燥感に苛まれ
君の名前を叫んでる
劣等感に潰され
君の声を思い出す
もう一度だけ
君の下手くそな鼻歌を
もう一度だけ
君がつけてくれた名前を
二人で作ったこの部屋
すっかり静かになった
ふいに見つけた長い髪
此処に居たこと嘘じゃない
言わなかった優しさが
僕を縛りつけてる
河に捨てたペアリング
海まで辿り着いたかな
あの街も、あの匂いも
忘れたくはないから
僕は夜に駆け出す
喪失感に襲われ
君の姿を思い返す
自尊心を見失い
君の声音を反芻する
もう一度だけ
君の下手くそな似顔絵を
もう一度だけ
君がつけてくれた名前を
頭の片隅で君がずっと笑ってる
あの日交わした約束も
死ぬまで忘れないように